幼少期に見た緊・縛の本が忘れられない浅井。
普通に性癖の目覚めの話かと思ったが、良い意味で予想を裏切られた。
直接的な表紙やタイトルに騙されるところであった。
与えられた役割、環境を受け入れて能動的にこなしていけば、何も考えずに楽な世界。
本当にそれでいいのか?と問いかけてくる。
生活環境が悪く登校してこない同級生、杉野目の縛られた姿を見てしまった浅井。
秘密の接点を持ったことによって、前述の問いがつきまとってくる。
乗り越えたい障害は違えど、将来を諦めずに前を向いていく2人の高校生。
2人をがんじがらめに縛っていた紐がほどかれていく。
浅井がまた不憫で…自分はこういう話に弱いらしい、ご都合主義かもしれないが、ラストも大変良かった。
もう完結してしまっているが、もし続きがあるとしたら、その時は浅井の癖全開であろう。
ちょっとそのタイトル通りの姿も見てみたかった。
ファンタジーなど似合いそうな絵柄であるが、華奢で曲線的な線に妖艶な色気もある、不思議な魅力のある作者様。
先生の他の作品「死に逝く、君へ」を知り読んでみたかったのだが、4月に配信終了になっていた…一足遅かった、バカ者っ!…自分を恨んでいる。
どこかでまた読めないだろうか…。
先生はまだ描いていらっしゃるようなので、また作品を読めるのを楽しみにしています。