「えんどうくんの観察日記」の続編です。こちらの作品は、高校3年生になった二人(津田と遠藤)の学生生活の一コマって感じで描かれています。二人の恋愛はもちろん、同級生との関わり、進路の悩み、そして津田兄の登場でいろいろ引っ掻き回されてってのが大体の内容。レビューでも書かれていたけど、観察日記から二人の関係性とか特に変わりはない印象です。私の読んでみての感想は、特に嫌な人もいないし、ラストの方向性とかに異論もないけど、なんかスッキリしない、モヤっとしたものが残るんです。なんでかなぁと考えたら、結局最後まで津田も遠藤もお互いの気持ちを何一つ言葉で伝えることがなかったからかなぁって思いました。好きとか愛してるって言葉が全てじゃないけど、お互いの意思疎通がはっきりしてないと分かりにくいですよね。これは読者にも分かりにくかったりして、レビューのばらつきもここから来てるんじゃないかな?お互いの存在の関係性を聞かれても、これも曖昧なまま。恋人とは言っていないし、付き合ってるとも言っていません。お互いに「俺のもの」って所有物認定はしているけど、津田兄だって弟を一日「俺のもの」にしたりしてるしねぇ。口数の少ない二人だし、関係性なんて本人同士で納得していればいいことなんだろうけど、ハッキリ明確な形を求める読者には物足りないのかもしれませんね。そういう意味では、千葉さんが白黒ハッキリさせるために告白するってのは分かりやすいし、共感できます。こういう曖昧な空気感が好き嫌い分かれるのかもしれません。最後に津田のカット後、見たかったな~。大体、オールバックより髪下ろしてた方が断然カッコいいと思ってましたが。