才能だなんて言いたくはないけれどどうしても圧倒的な差に打ちひしがれて、吐き捨てるように天才という言葉を使って自分の世界から切り離してしまうこと。人生にはそういう瞬間がある。
それを繰り返すうちに、道が続いていたはずの夢もいつしかただの甘い幻想に変わって、全力で走ることをやめて。そういう何でもない人生に不貞腐れながら、悔しくないフリをしながら「才能」という単語に人生の鬱憤を詰め込む。大人はとてもダサい。けれど、きっとごく普通の大人の折り合いの付け方。
そんなもの投げ捨てて、もっと格好悪く足掻いて、諦めの悪さを嘆かずに、生きようぜという話。
下手でも歌ったり描いたりしようと思うし、あしたも仕事を頑張ろうと思う。