最新17巻迄読了。18巻が待ち遠しい。
ダレなど感じさせずに長丁場が緊張感を持って紡がれてる。コミカライズということだが絵は丁寧で建物や服装など視覚的な説明力強く、小説は未読だがいかにもスカスカなダイジェスト版といった安易な作りに感じ取れない読み応え。事件毎に一旦解決を見せ、一方で引っ掛かりを残して巧みに次へ繋ぐので、登場人物の正体や裏の顔や真相といったものが判明するときに特段唐突感も無く、といって読み手の当方に先を気取らせる脇の甘さもない。
11巻から16巻でもう一段ギアが入って急を告げる様な進み具合にも、巻数の多さから来る飽きをうまくかわされている感じがする。
ただ、間諜の行動がそんなに成功するか、皇帝の膝元がそんなに緩いのか、といった素朴な疑問はある。
そうはいっても、黒々とした陰謀の雰囲気がこの話を盛り上げてることは否めない。また、妍を競う後宮というより、他人の幸せを喜ばない&自分の幸せを(ライバルから)歓迎されないという恐ろしい側面が、猫猫の機転や解決力でいっときでも雲散霧消する爽快さが相対的に引き立つ。
17巻中での話の進展は、これまでとは様相を異にする。その成り行きこそが本書の最終的な評価を決定づける感じがするため、今のところは私としては文句なしの5星が、18巻以降も落ちないかどうか窺う気持ちも強い。此処からはスピード感よりも寧ろ、急に剥けてきた幾つかの事柄はどう物語的に処理されるのか、正念場ともいえ、実に楽しみ。19巻読んだら楼蘭の役どころが!