さすが!! もう、どうしようもなく好きというお互いの気持ちを隠しながら、駆け引きのようにストーリーを進めていく手腕に脱帽です。というか、障害はあればあっただけ燃(萌)えるCPを描いたら、ピカイチな感じです。
見どころの通り、予見者として橘財閥に監禁・利用されつづけている暁人と、一目会った時からお互い惹かれあった高見沢に、暁人の幼少の頃からの世話係・黒田が加わり、ストーリーはスピーディーかつハードに展開していきます。
そもそも父母を自殺に追いやった橘財閥に復讐するために潜り込んだ地下室=予見の間で、いきなり恋に墜ちるふたり…でも、それが恋とは気付かずに橘邸の地下室を脱出するふたり…そして、気持ちのコントロールがきかずに無理矢理身体を奪ってしまい、傷つけ&傷付きスレ違うふたり…。捕まり引き離されても、心の奥底で信じ合うふたりに、さらに追い討ちをかけるような出来事が次々とふりかかり、ドキドキしました。これが運命と言わずして、何と言うの!!! ってなぐらい、一冊まるごと運命のストーリーでした。
暁人様奪還に燃える黒田の気持ちもわかるだけに、悪の権化=橘の下衆野郎()が暁人に手を出すなんて、汚い!! と本気で思ったけど、結局、黒田の想いと決断のおかげで、ふたりは幸せに。その後の話は打って変わって、ホノボノムードでした。