と呼ばれている『アスペルガー症候群』。最近ではずいぶんと世間に浸透してきた疾患だが、どうも正確な知識を持ち合わせた人は少ないようで『ちょっと変な人』『空気が読めない人』の代名詞的な使われ方をされている。問題なのは、それが完全に的外れではなく、そのような性質を持つ者もふくまれていることだ。よって、実は個人差がかなりあるにも関わらず、十把一絡げにされやすいのである。この作品では斉藤さんは、やはり独特の感性や考え方を持っており、確かにアスペルガー症候群なのだろうが、『アスペルガー症候群とはこういう人』という捉え方ではなく、こういうアスペルガーの人もいる、という捉え方が近しいと思われる。だいぶ、読み手を選ぶマンガではある。