カラメールという名の一連のものの一角のようですが、話がだだっ広く薄く迫力がないサスペンスが展開した感じです。時間的制約からか量的制約からなのか、どうもアッサリ真相が語られて、読んでるこちらに「そうだったの!?」といった意外性も数奇な運命みたいのも、どちらも生ぬるかった。
幼い恋脱却の割には大人としての二人がまだ友達に近く、または味方同士的な立場以上の感情が現れ出ることが少なく、もうちょっと酔わせてくれても、と思う。
国王近辺の話なのに、身の危険云々の状況にしては物々しい警備のものなど絵に入ってきておらず、全体として動きがどこかスピード感不足。アクションは船上は少しエネルギッシュだったが、犯人一味に語らせ過ぎて王宮内シーンがもうひとつの山場になりきれてなかった。
真相解明に向かってのメイン二人の連携ぶりを出すのが主眼だとしても、この話、何処かテロの脅威に対するムードにピリピリが光る少ない。
メインふたりの絵、せめて表紙並みの躍動感と美的感覚の高さが、本編の方にもあったなら!