ネタバレ・感想あり嵐のキス【特典付き】のレビュー

ヘレン･ブルックス一ノ関りん子

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nyanya6 さん

(女性/50代) 総レビュー数：939件

嵐を引き寄せたキス

ネタバレ

2019年3月18日

このレビューはネタバレを含みます▼ 恋をして相手を欲すれば、自ずと相手の背後にある諸々に係わることになる。それは、苦しみだったり、悲しみだったり、もちろん幸せなこともだ。コルトは、愛したネッタのせいで唯一の家族である姉と母を亡くした。女性を見る目のないコルトが引き込んだ不幸だ。ジェシカはコルトへの想いと、コルトが抱える罪悪感との間で苦しむことになる。そもそもコルトは情熱的で家族を持つことを望む素敵な男性だ。ただ、見た目だけに惹かれるという過ちを犯しただけ。付随する不幸が大きかったが。けれどジェシカに惹かれた時点で彼の女性を見る目が磨かれたと作中では意図している。だからあとは簡単、受け入れるだけなのだから。それをコルト自身が確信していく段階としてジェシカの妹との対面がある。この事象のおかげでネッタとジェシカは違うと分かっていく。そして心開かれる後押しとしてジェシカのひた向きさが功を奏したと言えるのだ。ジェシカも傷ついていた。婚約者の裏切り、母と妹の裏切り、けれども「私は諦めていない」と作中で語っている。信念を持った強い女性だとわかる。正直に言って表題からはもっと情熱的な物語を想像したのだが、案外実直な物語で拍子抜けした。ジェシカにとって、コルトとのキスで、ジェシカ自身に嵐をもたらした物語だった。