匂いに敏感な平が満員電車で具合が悪くなったときに助けてくれた人を追い求めて同じ高校に入学。「好きな人を探しに来ただけだから友達はいらない」と言い切る平にビックリ。
学校中を探し回って見付けた先輩に拒否られ、それでも諦めきれずに追い掛け回す。勘違いも混じって平の想いは迷走するけれど、助けてくれた人が大好きという気持ちがストレートに伝わってきて、行動はほぼストーカーなのに嫌悪感はゼロだった。
先輩が巻き込まれた出来事との対比がよくできていて、平や先輩の友人たちも男同士の偏見がなく、温かく見守っている感じも良かった。ただ、出番の割に平の友達の名前が出てこなくて、平から色々な話を聞かされているのにずっと《お前》呼びで不憫だった。
短編が1作入っていて、こっちは病んだ性癖をガッツリ描いた作品。表題作とはかなりテイストが違って驚く。