1〜3巻220くらい、4巻178、5巻218、6・7巻200ページ。
1巻目からもう細部に見える情報にワクワクですよ!
電線がつながってると思しき電灯、主人公が語る話は『浦島太郎』に他の要素が混じっている、その話を村人達は全く知っている様子がなく、語りの中で「現在の海は人が入れるような状態ではない」こともわかる……日本昔話的な表層世界にガチSFの気配!
最後まで緊張感のある良い作品でした。
もともと昔話がお好きな作者さん、作中で語られる「お話」が良かったです。昔話を、私達が当たり前のように聞いてきた「昔話」としてではなく、かつて昔話が昔話になる前にはこういうふうに語られていたのではないかという臨場感というか新鮮味というか……うまく伝える術がありませんが、とにかく良かったです。いわゆる「昔話」だけでないのも、過ぎゆく時に思いを馳せられる感じで、なんかこう、胸熱。
謎の多い世界設定ではありますが、読者を驚かせるための意図的なミスリードを仕掛けることなく、しっかりと考えられているからこその語り過ぎない自然な情報開示……素晴らしい。こういうの、こういうのが好きなんだよ。「異世界の現実をそのまま」見られるような作品が大好きなんだよ。
昔話やSF、作者さんが若い頃からずっと好きでいる要素を、多くの経験で煮込んで満を持して出されたようなこの作品、とても面白かったです。7巻ですが、巻数の倍を超える内容密度がありました。
色恋に流れ過ぎず、それぞれのキャラクターがそれぞれに生きているのが、安定の著者らしさでした。モブの動きにもリアリティーがあるんですよね。噂で不安が増幅される様子とか、実際にこうなってしまいがちなんだよなってすごくおそろしいです。そして、どんな状況でも「明日を待つ」という希望の大切さに気持ちが引き締まりました。
トオワが舞台のこの物語は終わりましたが、この世界の物語をまた描く予定があるようなので、正座待機したいと思います!