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不気味と隣り合わせの街「クリーピー・サイド」を舞台とした、それぞれ主人公の異なる短篇連作。可愛らしさもある細かく描き込まれた絵柄が魅力的。
開いた瞳孔の写真を集める男、ホラー映画を超えた本物のホラーを求める男、人皮装丁本に魅入られた男、懐かしい味を求めて動物の内臓を食べる女、人の履いた靴を集める男、ハロウィンの夜の中に紛れる本物と偽物、変人お断りの専門医による手術、死の匂いを嗅ぎとる娘、欠けたものを愛する男。
登場人物はそれぞれに奇妙で、物語の結末はホラーだったりほのぼのだったりとバリエーションがあり、どれも良かったです。
特に6話目の『ハロウィンパーティー』が、ちょっとしたミステリー感あるさりげない不気味さが好みでした。
同録読切『リビングデッド・ベイビー』は、死体愛好家の男が子育てをする羽目になる話。こちらは絵柄・物語ともに、作者さんの個性がまだもう一歩出ていない感じでした。