クリスティンは1万ドルで競り落とした彼ペリーをセール品として返品も交換もできないだなんて揶揄で良いわけ?私としては好みの作画だし好感をもって読み進めていたのだけれど、言葉の選択に少々難ありと思う。ペリーは、職業柄なのかお世話好き。元々の性格も手伝っての事だろうけれどそれをクリスティンに発揮している。野暮ったい彼女が美しく変身したことに驚き変化を楽しんでいるのだ。そこに生まれた感情を好奇心と名付けて。まるでプロデューサーのように作家としての視野を広げる手伝いをするペリーだが、彼女の純粋で輝くような笑顔に触れて少しずつペリーの気持ちにも変化が見える。けれど、二人の間には「競り落とした」という現実を卑下し愚かな行為の上にある関係だとして進展を拒む。何歳になっても惹かれる思いを素直に受け入れられず右往左往する男女のそれが要に描かれているのだが、大人の関係だけにジレッタイ。おまけに、「消えたファンタジー」という表題はファンタジーは現実となったという意であるからこれは、作家としては致命的な気がする。素晴らしい現実は小説を上回るわけで、それ以上の物語を彼女は書き続けることができるのだろうか!?冒頭にも書いたが、いちいち言葉尻を拾うことに嫌悪感もあるけれど、返品だの交換だのと五月蠅い気がする。