オークションものを読むのは少し抵抗感がある。どうしても人身売買に見えてしまうからだ。
それもファンタジーなのだとの解釈をしてしまうと、ファンタジーというものの存在を汚してしまう気がして。
しかし金額に驚く。(三万ドル出したHQヒロイン-リアンドロ・ローガン「三万ドルの恋人」はいたが!)
私は小心だから出せない。
そんな突発的行動をしでかすヒロインには、(これは「お話」なのだが、)それでも頭が下がる。しかも札束で横ッ面はたくなどというキャラとは正反対(HQ仕様)、彼もブイブイ言わせてるプレイボーイではない。
この二人がキスしたときの赤面に、二人の可愛さに、私はすっかりやられた。
すごく真っ直ぐ恋愛に取り組む彼がナイスガイ過ぎて、忙しい中でヒロインの為に動くさまに、読み手のこっちこそ萌えが!忙しいのにマメな男性というだけで、しかもヒロインへのかいがいしさ(?)が読み手の私のツボにもはまる。
ただし、彼の「萌え」の絵(104頁)は全くいただけなかった、唯一だが盛大にがっかりさせられたひとコマだった。117頁も眉が。。
ヒロインのスランプに工夫のアプローチがまたいい。彼の本物の笑顔、というところが築かれつつある信頼関係の描写でふんわりいい気持ち。
ただストーリーの構造には大した捻りもなく、元彼や疑惑を向けた彼女との修羅場(そんなのは私も望んでないが)も無く、拍子抜けするくらい簡単に上手く行ってしまった。
絵は素敵。
イラストを担当されたらしいBL「真昼の月」(別のペンネームだが、多分高井先生の描かれる男性が居た)を、やっと購入に及び、数ヵ月前読んでみたら、HQの方が高井先生の作り上げた環境設定人物設定等の中に入れたと感じた。あっちの小説の方は、眺めて楽しむ美しい男性達の絵で、こちらは彼が生身の存在ぽさを感じる親近感を発している。自分に引き寄せてファンタジーな物語世界を見れて、彼が現実のものになった所に酔えた。
顔に占める大きめな口元が何故かセクシーさを倍増させている。
大きな波乱は無い展開で、アッサリ読み進めてしまって、少々歯ごたえ不足は否めない。
これを読んだら、相対比較で直前に読んだものを、下方調整しない訳には行かなくなった。
「教えて下さい、藤縞さん」(TL) を読んでからこっち来ると、HQ世界が普通に見えて(主人公のお母さんはHQの方が翔んでいる)きて、分りやすい警戒心とかに親近感が湧く。