昭和54年の東京が舞台。昭和、平成、令和と流れ、40年ほど前の設定で、描かれた背景が古い、遠い時代のようで、昭和ってそんなに古くさい時代劇になってしまったのかと、カルチャーショック。
筆を握れないスランプ小説家と、かつてその先生の作品に憧れた新人編集担当者の物語。ハーフの生まれはどの時代も、いじめを受ける要因となる。理解しがたい問題です。子供の頃からの境遇で、人嫌いになった先生には、いつも傍らにいる友人?の霧島が世話をやいていたところ、新人担当のいとー君が代わりに御世話係となって居候。ほんとに迷いこんだ仔犬のようで、可愛らしく東山の家に新しい風を吹かせます。霧島は、なんとなく東山に好意をもってる予感。東山は過去に狂信的なファンに切りつけられ、心身ともに傷を負って小説が書けなくなっていて…先生に書いて欲しいいとー君の熱意が伝わり、東山も徐々に絆されていきます。いとー君、熱心で一生懸命だから、そりゃそうだ。
いとー君も、東山の端正な容姿に心奪われ、さらに本来の姿を知っていくうちに好きになり…
昭和の時代のプラトニックというのは、解せないですが、きれいな物語です。さすがに恋に落ちれば、プラトニックで済むはずもなく(笑)いとー君の攻めに違和感あり(笑)仔犬、頑張れ(笑)
霧島の正体にびっくりで、あぁなるほどって感じですけど、やっぱり好意はあったんだろうな、と思います。いい人見つけて欲しいですね。
事件は別として、穏やかな物語です。