ファンタジー世界と「介護問題」と言う非常に斬新なテーマ。
御伽噺ではめでたしめでたしで締め括られる勇者はじめ「英雄」の老後に焦点を当てながら、我々が疑問に思ったり知らなかったりする介護の様々な問題と解決策を主人公がぶつかり乗り越える形で解りやすく提示しています。
定番の「魔王vs勇者」と言う構図はあくまで「歴史」としつつも一連のストーリー展開のバックボーンとなり、介護の問題だけでなく先の「戦中戦後」を経験してしたであろう実際の高齢者達が重なる様なほろ苦さや祖父母世代の戦争と言う「負の遺産」に時に悩み戸惑いながらも向き合う主人公の姿も物語に奥行きを与えています。
第三巻は残念ながら電子書籍のみとの事ですが、是非紙本として出版して欲しいと心底思います。