設定が多すぎてこの頁数に序盤から何人もの人名を詰め込み、犯人の可能性を広く思わせたかったかもしれないが、人を紹介するときは関係だけでは浸透していかないのではないかと。
物語最初の事故事件発生はもうひとつ事件を呼ぶ、それらと、過去の事件二つ、ヒロインの幼少期と彼の両親と。
一冊の中で次々休む暇なく事故事件絡みの何かしらが動いて、その上ロマンスも、となると、どうしたって一個一個に深入り出来ず踏みとどまれない。考察の機会得られぬまま次のエピソードに。
ロマンスがそんなこんなをポツポツと跨ぐとそれ故、彼のお誘いは余計押しが強い印象に。
高い評価の中でごめんなさい、私は漫画は文字以外の要素もかなりこだわる。
グレー多用が漫画の絵としての表現の為でなく、背景を白っぽくしたくないがため、という理由が大きそうだと思うのだ。だから、グレーの入り方にメリハリがなくべったりあちこち入ってきて、アクセントとしては用を果たしていない。花が多いのも同じ理由に感じる。
絵が大ぶりな印象で、私の目には描き慣れしていないように映る。33頁(書籍上の表示は31頁)や36頁辺りも笑いを取りに来たかったのだとは思うのだが。丁寧さは判る。ただ、メインキャラ双方のビジュアルが物足りない。特にラブシーンに萌え要素無さすぎ。人魚シーンはまだしも、二人には状況としてそのような空気醸成感無い。エッチ度のことではなく。
特にベッドでは、ヒロインの年齢は大人なのに大人に見えなかった。彼もセクシーではないため、なんだか甘さや艶やかさの無い場面だった。
絵がぎこちない感じがすることは最大の難点かと。
3.5~3.7 のつもり。