絵が空間を示した感じがしない。
ヒロインのお父様、彼の伯父様、義妹、デール卿、動きの一つがコマとして切り取られたように見えない。
値段お高めのロマンスコミックの商品群としては、もう少し描線にこなれ感が欲しい。制作してきた作品数が少ないのだろうか。
ストーリーはどこかで何度も読んできたようなパーツの組み合わせと感じてしまう。雪の森、そして、狼とあだ名されている非社交人間。TL小説でも読んでいる気になるような設定で、設定がストーリーにあっさり乗っかっているだけで、縦糸横糸に絡む感じがしない。西洋貴族ものTL小説の過激表現だけ消したような話で、活字で表された方が、もっと多くを語ってくれた気がする。
シーン毎に設定が使い終わった感で、一つのうねりになっていかない。
倒木の事故に至っては、もはや読むのを中断したくなった。いきなりお父様が実はーというような登場も、いやむしろ妻の方を何とか出来ないものなのかなと、そっちの方が気になるばかりだった。
正直、もう少し印象的な場面が欲しかった。
人が描かれるコマが多すぎて、その他の絵が少ない。
現時点レビューが総合点で高かったので購読に踏み切ったが、心境複雑。2.5と思って欲しい。私のポリシーとして「一生懸命」制作された作品に2星以下は無いからだ。