1巻2巻148、3巻178、4巻194ページ。
劇場用アニメを見ている感じ。
いわゆるフツウの中学生女子が、海で遭遇した謎生物。ちょっとコワイけどなんかカワイイその生き物を飼うことにした主人公……人の感情を食べるその謎生物が、海辺の町全体を巻き込む大騒動を引き起こすとは、想像すらせずに。
というのが話の概要です。
よく動く(ように見える)絵柄、主人公の友人のみならず、先輩達や別の親子、多くのキャラクターとその人間関係が絡んでグイグイ進んでいくストーリーが小気味良かったです。
主人公の他愛なく子供っぽい(でも本人にとっては切実な)悩みから出た願望、それを乗り越える成長物語でした。
謎生物に関する謎だったり、この町以外の様子がどうだったのかとか、いささか気になる部分はあるのですが、全体として読んで満足の、テンポ良く楽しい作品でした。
……が、かなり面白かったのですが、いまひとつ主人公のキャラクターが趣味ではなく……主人公にはふさわしい性格ではあるのですが、なんかこう、ステレオタイプの「フツウ」すぎる感じがあって、感情移入ができませんでした。カップリングとか別の親子のエピソードとかも、よくできてはいると思うんですが「いわゆるいい話」感が強くてあまり得意ではない……それは私がひねくれ者だから。そんな趣味の不一致があるため返し読みは少なそうでその点では星3つなんですが、演出はとても良い星5つ……という間をとって星4つ。
一番良かったキャラクターは、主人公の所属するテニス部の先輩・静。彼女、生来のいじめっ子気質があるタイプで、好きかと聞かれたら好きにはなれないんですけども。根っからの悪人ではないやさしさもきちんと持ち合わせていたり、置かれた状況であったり、最も複雑さのあるキャラクターで、さぞかし苦しかったろうと思います。けっこう素敵な大人になれる気がする。