初っ端、躊躇なく自分の首に刃を立てている姿からもうハマりました。悲観も絶望も感じさせない、"ただの選択"という合理の獣っぷりがもう始まっていた。
デルウハは本当に現代の倫理からすると最悪のクズです。
ただ、デルウハは他人を支配・操縦・利用するためには、その他人を時には本人自身以上に深く理解・分析・評価する必要があると知っていて、そのためのリソースを割くことを惜しまない。天性のサイコパスで感覚的にそれらがわかるのではなく、努力や思考で理解までたどり着こうとしている。
口で「理解しあおう」「認め合おう」とか言ってる人間よりも、はるかに他人の事を理解し、認めるべきところを認めている。
その上で目的が支配や操縦なので最悪なわけです。
ただ、"自分のことを限りなく正確に認識してくれている"と感じられる相手がいるというのは、その目的がたとえ美しいものではなかったとしても、嬉しい人は多いのではないかと思いました。それがデルウハの魅力です。