これはジェンダーとかそういう話ではなく、自分の性欲をネガティブに捉えている人間の話だなあ、と思いました。漫画部分はこのテーマを面白く見せてくれるガイド役であり、作者さんのあとがきが本編だと思って読んでいます。性や恋愛でつまずいた経験(「イケなかった」などという積極的な失敗を必ずしも意味しないと思う)から立ち直れなかった人をこの本で救済したいというモチベーションをなんとなく感じました。有効なセラピーがいつも優しく甘いわけではないですね……。己の暗闇の部分から目を逸らさず直視する苦しさがありますが、良薬口に苦し、バリ効きます(笑)。性の客体になりやすい女からしても大変苦しい漫画なのに、加害的な役割に囚われやすい男性の苦しみたるや、、想像を絶します。
彗ちゃんの「男を降りたい」と阿野さんの「私も女を降りたい」は同じことを言っているようで実際はたぶん非対称ですね。。