可愛いお話なのですが、なんというか‥単調なんです──絵が。普通漫画を描くのに線の違うペンを使い分けるのですが、全部一緒じゃないかな?髪や瞳、羽根やふわっとした小道具とかは細い線で、力強い部分は力加減で強弱のある線で、背景はメイン人物の邪魔にならないような線で‥こんな感じで描く部分毎に分けて作画に作家さんの絵柄だけでなく味を付けていくのですが、全部先が潰れないマジックのようなペンで描いて、太く見せたいところは二度三度描きして線を増やしている、ふわっとした部分は細部まで描かないでデフォルメで──そんな感じで、凄く見辛いんです。そこに今風のトーンワーク‥アイドルものですよね。華やかさとかキラキラ感とかイケメンの決めとか表現は色々あると思うのですよ。長年の漫画好き、トーンがあまり種類もなくても手描きで全て処理するくらいの昭和の漫画家さんを読んで育っているので、この辺り全部が揃っちゃうと、う~んってなります。だからか、可愛いストーリーなのに内容まで余計に単調にしか見えませんでした。