ネタバレ・感想ありライカの星のレビュー

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愛していたから憎くて哀しい
2023年5月11日
231ページ。
表題作5話+短篇3作。
美大出身の作者さんだそうで、デザイン性の高い絵柄がめちゃ好み。ストーリーも、ただ優しいだけではない、苦しみ悲しみの鮮烈さがあって、ザックザクに刺さりました。表題作と『愛の焦土』が特に好きですが、全篇星5つ。
〜〜〜〜〜
表題作は、かの有名なライカ犬の「その後」の話。スプートニク2号に乗せられ、世界で初めて地球の周回軌道に達した生物。初めからの片道切符、忠実な犬を利用してなんてひどいことをするのだろうと幼少期から思っていて、そんなことをする人間の端くれである自分が辛かった。
復讐を誓い、人間を滅ぼそうと地球を目指すライカ、いいぞもっとやれ。
憎しみと復讐だけの物語だったらどんなに良かったろう。けれどもライカは人を慕う健気な優しい犬で、それがとても哀しい。
・『さようなララバイ』みんなずっと一緒にいられるように、と不老不死の人面犬になろうとするトモコ。死の恐怖に気付いた子供時代、一度は不老不死に憧れるよね〜。人面犬の暮らしを教えてもらいに行って、いろんな妖怪と楽しそうに過ごすトモコちゃんが可愛い。
・『愛の焦土』ゴッホとテオをベースにしたお話。地球を侵略した宇宙人の子供の兄弟、兄と仲良く一緒に居たい弟の一方通行がかわいそう。
・『海底着陸』犬のアームストロングと飼い主の少年マナブくんの、ショート連作5話。海と宇宙のイメージのリンクがきれい。
ライカ
ネタバレ
2026年5月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ 短編集。宇宙船に乗り込まされたライカ犬、人面犬に不老不死、ゴッホ、アームストロング船長、知って衝撃を受けた出来事や圧倒されるような人物や人生がネタ元になっています。人間の都合で犠牲になる動物、自身のよかれとの強い思い、平穏な日常と狂気の背中合わせ、思い詰めたり復讐だったり好奇心や追求心だったり心に引っかかり揺さぶられるストーリーです。
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「ライカの星」は☆5
ネタバレ
2026年10月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ 【ライカの星】111頁まで
【さようなララバイ】159頁まで
【愛の焦土】 185頁まで
【海底着陸】 225頁まで
以上4つからなる全231頁の短編集。
各作品の最後に作者による解説1頁あり。
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なにより全編通して絵がとても美しい。

【ライカの星】
1957年ソ連の実験によりスプートニク2号に乗せられ地球軌道を周回した、地球上の生き物で初めて宇宙に行った犬、ライカをベースにしたお話。
……人間は勝手なことをしますよね。
終盤、そんな人間を憎んでもなお、地球に帰還後は人間に飼われることでしか生きる術を持たないライカがとても哀しくて、苦しい。

【さようなララバイ】
人面犬に噛まれると人間は人面犬になり、不老不死の体が手に入る。その人面犬と友情を築くトモコ。
家族みんなに不老不死であることを望んだトモコが、ある切っ掛けにより現実を突きつけられる。
トモコがとてもいじらしかった。
人面犬と時間を共にするトモコが、切なくもオカルトチックに描かれています。……ここが正直ちょっと不気味に感じてしまった。

【愛の焦土】
画家のゴッホと弟テオをベースにしたお話。

【海底着陸】
海の底は宇宙に繋がっていると信じる犬、アームストロングと、現実的な考え方を持つ飼い主の少年マナブのお話。
最後なんとも言えない寂しさと切なさを感じた。

ポップで精密な絵柄で、憤り、残酷さ、業、孤独などを描き、感情を揺さぶられる。
…ですが、先に書いた不気味さを感じたところに苦手意識が出てしまったので自分基準で☆4で。
すごくパワーを感じた一冊ではありました。
【ライカの星】は☆5。
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作家名: 吉田真百合
ジャンル: 青年マンガ ホラー
出版社: KADOKAWA
雑誌: HARTA COMIX