前作の当て馬のスピンオフ。まず、絵がとても美しい。背景まで丁寧に描かれ、映画に興味ある作者さんというのが納得。テーマは、前作におけるどう考えても共感を得にくいタイプのクズが主人公。加害者を主人公にするというのは、応援しづらく、それだけ作家にとってはチャレンジングだと思う。でも自分はそこに正面から踏み込む作品が好みなので良かった。枕営業から恋人に?というがっつりBLが軸だけど、過ちを犯した人は幸せになっていいのか、人はどう変われるのか、というテーマを掘り下げていたところが興味深かった。ところどころ、うーんそんなうまくいかないよな、被害者がもっとトラウマ抱えていたらこの人たちどうするの?と思うところもあって、展開は☆3.5。でも、それなりに罪には向き合えて、BLとしても内容が濃く、抜群の絵の美しさも含め、トータル☆4。