キッサン先生初の短編集。4作品に加えて、電子版には描き下ろしが収録されています。2冊目の短編集よりも一つ一つのお話が長めです。多種多様な世界観で、似たような話が見当たらなくて、どれも本当に面白かったです。ラストも様々、読後の余韻がそれぞれ違うので、読んでいて飽きません。どれも良かったけれど、私は「鞠めづるヒトビト」が好きでした。蹴鞠に勝ち負けが無いなんて知らなかったし、なんだかとても日本人らしいスポーツだなと感じました。あとがきで各作品に対するコメントが添えられており、そちらも興味深かったです。
「千歳ヲチコチ」で作者様のファンになり、こちらも購入しましたが、長編をあれだけ完璧に仕上げられる力量を持った方が短編を描くとこうなるのか~と思いました。短編にするとその切れ味がいっそう際立ちます。素晴らしい作品をありがとうございました。