わかる。あるあるこういうこと。読みながら頷くことしきりでした。
主人公・依知と同じ名をもつ少女と関わったことで、依知の状況が大きく動いていきます。少女は依知の母校に在籍しており、母校には秘密があるらしい。不本意な形で別れることになったかつての親友・恵波は今どこにいるのか。現在の疑問にリンクして過去の謎が徐々に明らかにされていきます。
SFと銘打ちながら最初は全くSFらしい場面はなく、後半にやっとそれらしい展開になります。それまでは日常の「あるある」場面が丁寧に描かれていきます。男性は何の疑問ももつことのない1つ1つに女性がひっかかりを覚える場面がいくつも描写されます。
最初の展開はややゆっくりだけど、最初に出てきた人物が終盤に予想外の形で出てきたりと思わぬつながりがあって無駄がありません。予想とは違った終結だったけど、納得のいく結着でした。評価は色々あるでしょうが、女性でなくむしろ男性に読んでほしい。男女で見ている世界が違うということがわかるだけでも男性が読む価値のある漫画だとおもいます。