1巻、2巻、そして3+4巻と、少し不定期なタイムラグがあったせいか、1巻と2巻それぞれの時点で『これが完結』なのだと思い込んで読んでいました。その時は、味わいと余韻があって素敵だけど、切ないストーリーだな…と思っていました。でも今回3~4巻が出て本当の完結回まで読み終わって、これまで読みながら感じできたいくつもの感情を全部丁寧にすくい上げて明るいところまで運んで来てもらったような、心がじんわりと安らぐような、温かい充足感で胸が一杯になりました。色々な人達の様々な想いが交叉する中にはやっぱり切なさもあるけれど、どの人の未来にも光が感じられる、読み終わった頭上に雨上がりの青空が広がるような素晴らしい作品でした。きっと、この先も何度も読み返すと思います。