各巻おおよそ200ページ。
不安になると毛布になっちゃう綿子さんと、メルヘンチックな「偽物」達、そして「偽物」大好き会長さん。かわいらしさにシュールさもあり、そして会長さんが紳士的で良かったです。
綿子さんの不安は自分にも覚えがあり、また、いわゆる発達障碍のあるタイプには身近なのではないでしょうか。「偽物」と「本物」に対する認識に根深い苦しみを感じます。そんな中でも、人を温めることを選ぶ綿子さんの優しさがすてきです。ラストも素晴らしい。そう、生きて行くのに必要なのは、この一言なんだよな、って思います。自分もこの言葉をちゃんと伝えられているだろうか、伝えたいな、と。
2巻で会長さんの弟が出てくるんですが、第8話のラベンダーのエピソードがね……弟の気持ちがですね……なんかもう……なんかもう、切ないわ……ってなりました。たいへん良かったです。
1巻の第5話の、夜の遊園地エピソードも、幼少期に夢見た憧れが詰まっていて、とても素敵です。