ネタバレ・感想あり妄想猫観察のレビュー

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愛くるしい毛玉生物を観察する本
ネタバレ
2025年6月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ もちもちSF「プリンタニア・ニッポン」迷子先生の少し不思議な猫エッセイ。短い漫画と落ち着いた文体で記されていく猫の観察と先生の妄想。あらゆるものへの視点がおもしろくて、猫の観察をする先生の観察をしてみたくなる。記された事柄は猫好きならばふむふむ言えるものばかり。猫と先生の距離感も好ましい。

冒頭『猫駅』では村上春樹氏の「ふしぎな図書館」へ足を踏み入れた時のような、無意識世界の空間に迷う。日常から半歩外れた心許なさが心地よい。飼い方の常識についての回では、アインシュタイン「常識とは18歳までに身に付けた偏見」が耳に痛し。先生の文章とても好き。これからもこんな仕事をしてほしい。できれば文庫とかで持ち運んで公園とかで読んでいたい。そんな人間を遠目で観察する猫がいたら、ちょっと嬉しい。
SF(少し不思議)なエッセイ
ネタバレ
2022年4月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ 著者の『プリンタニア・ニッポン』が好きでこちらのエッセイも購入した。
著者の身の回りの猫ちゃん達の行動や、猫ちゃんに対する著者の思いを描いた漫画と文章によるエッセイだ。
とにかく著者の妄想がおもしろい。
猫ちゃん達は人間同士のようにヒソヒソ噂話をし、海からは海坊主ならぬ猫坊主が現れ、猫の音楽隊が来訪する──日常からスルッと非日常の不思議な妄想世界に入り込む。
私は「人間を好んで飼育する怪物」がお気に入り。
著者の頭の中をもっともっと覗いてみたくなった。
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