ある日の高校のクラスルーム。女性教師と生徒たち。ある出来事が、全員の頭の片隅に残っている。
その後10年の人生の変遷が、キリンジの名曲「エイリアンズ」にのせて、彩られる。
最近、ちょっと気になっている燃え殻さんの原作。おかざき真理先生に頼み込んで描いてもらったという本作は、酸いも甘いも噛み分けた大人の読者に是非読んで欲しい。切なく懐かしく、あの頃はキラキラしていて。胸がつまる。
なんにでもなれると思っていた17才、世の中はそんなに甘くもないと知った27才。努力しなかったわけでもないけれど、希望した人生が生きられる人間なんてそう多くはない。
諦念の中に、ほんの少し残された希望。ま、ラストちょっとベタかなとも思うけれど笑。
背景の一つひとつにも手を抜かず、何気ない風景が美しく印象的に描かれている。曲と原作と漫画が三位一体となって美しく融け合った名作。