誰にも「あの時ああしていたら・・・」と、過去の自分の生き方や選択を後悔することがある。それが自分にとって大切な人にかかわることであれば、なおさら。後悔を避けるため、過去の自分に手紙を書き送ること、未来の自分から手紙を受け取ること、どちらも半信半疑のなかだが、愛する翔を救おうとする菜穂の必死さが伝わってくる。ちょっとした行動にも注意し、不安と希望が交錯する一人で立ち向かうには荷が大き重すぎる日々だが、菜穂は友人たちの理解と協力を得ることができ、その友情がまた感動的。10年後も描かれるが、タイムリープという言葉でくくり切れない深さのある作品。