恋愛関係や家庭の事情などで家に帰れないとか帰れる家がないという野良猫みたいな男に懐かれ、自宅や仕事場に居着かれると絆されてしまうよねぇという典型のような作品。
探偵の川崎が依頼で対象者を張っているときに事件が起こり、対象者の浮気相手を助けたらお礼と称して探偵事務所に押し掛け助手にやって来た御徒町。
この御徒町という男は小悪魔的な魅力でオヤジたちを手玉に取り、金の切れ目が縁の切れ目を地で行くタイプだったのに、川崎に初恋のような気持ちを抱き、恋愛を諦めてしまっている川崎にいじらしく迫る感じがなんとも言えず可愛い。
どんな過去があって川崎は恋愛から遠ざかってしまったのか? と心配しながら読み進めたら、これが原因!? な理由で少し興が醒めてしまった。人が信じられず恋愛を諦めてしまうには弱すぎるエピソードで好きな作者さんの作品だけれど、ここが違う形だったらもっと好きになれただろうなと思うと本当に残念。