ネタバレ・感想ありポラリスまでの距離のレビュー

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胸に刺さる丁寧な描写の光る良作
2022年10月23日
高校生でバイの秀吾が恋心を抱いた相手は元カノの父の久我山父で、しかも久我山父は元妻との間の一人娘を育ててきた誠実な駅員。とてもBLの登場人物には思えない。この久我山父の戸惑いと焦燥がリアルでつい感情移入してしまう。背景の妻との死別や国鉄民営化といったエピソードの現実味が人物像に深みを与えているのが凄く良い。そんな父と秀吾を繋ぐのが星なのだ。星は大人になるにつれ変わっていってしまう周囲の環境や人の心との対比のように変わらぬ物の象徴で、本来の自分を取り戻す道しるべのよう。この星にまつわるエピソードが物語とマッチしているのが詩的で素晴らしく、分別のある久我山父に最後まで共感できて、切ない。その10年後に1つの役目を終えた久我山父の素が現れた表情に、見ているこちらも肩の荷が落ちるとはこういうことかな、と自分も肩の荷を落ろしてもいいのかもと思えた。このとき再会した秀吾が星のような存在に思えてくる構成も良く、丁寧な作品作りが光る。
番外編の秀吾のバイト先のスナックのママ(男子)とそのゲイの友達の話も、母親とも父親とも疎遠に育った末に気付いた思いが切なくて、短編ながら親世代に響く物語だった。
レーベルクーポンで購入して出会えて良かった、と思えた作品。前作のポラリスベルに2人の出会いが描かれており、そちらとセットで読むのがおすすめ。
タイトルシリーズで泣ける
2021年11月2日
[ポラリスまでの距離]若葉は美しいのだ。その美しさを若葉は自覚せずとも。若葉が恋をしたという。とんでもない恋を。
[18年後のシリウス]ただ生きてきた。そう言うけれど、愛する者と出会い子を産み、なお守るために生きてきたことは尊い。それをあなたはただ生きてきたという。そんなあなただから好きになったのだ。
[くもり空シーイング]誰も傷付けたくて、人を傷付けるわけではない。わけではないけれど、誰も傷付けないというのは傲慢なのかもしれない。しかしあなたを傷付けたくなかったのは本当だ。
[ヒッパルコスからの手紙]誰も彼も思いを抱く。報われるとか報われないとか、それは一時のことだ。本気で想って本気で伝えた。そのことが美しい。今はわからずとも。
[とおくにひかる まぢかにともる]時間は平等だ。平等に厳しく平等に優しい。それがこんなにも嬉しい。ただ、思う。それは過去に頑張ったからだ。みんな頑張ったから。だからだよ。あなた方の頑張りを間近で見てきた読者として思う。どうか幸せに。

[二丁目のキキ]番外編。肉親を憎むことも赦すことも難しいと思う。無関心というのが一番容易い。しかしそれでいいのだろうか、と思わなくもなく。だから主人公は本当に偉いと思う。

話のタイトルだけで、もう胸が詰まる。前作を読んだならぜひ読んでほしい。
良かった。
2018年8月31日
キスすら出てこなくて、BLなのか?って気もするけど、短い各話の中に人を愛するとは?死とは?と考えさせられる内容が詰まってて、読み応えありました。おまけに国鉄民営化闘争までネタに絡んで来るとはBLでそんな枝拾うのかという驚いた。ラストのハピエンまで無事に読めて良かったです。
。・゜・(ノД`)・゜・。
2013年9月21日
ポラリスベルの続編。
すごく切ない。・゜・(ノД`)・゜・。
最終的にふたりがくっついてハッピーエンドなのがとても救われました。
絵も内容もさいこう
「ポラリスノベル」の続編
2012年1月15日
元カノのパパさんとどんな結末を向かえるのか気になり一気読みしました👁。きちんとそれぞれの感情に向き合って答えを出すあたり、大人の漫画だと思いました😶。あと、パパさんの仕事先のサブドラマ、国鉄とか自動改札が無い時代のキップの鋏の話とか懐かしく、物語に厚みを持たせてました。番外編の央ママの話も良かったです😃
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作家名: テラシマ
ジャンル: BLマンガ
出版社: 東京漫画社
雑誌: MARBLE COMICS