ポラリスまでの距離
」のレビュー

ポラリスまでの距離

テラシマ

タイトルシリーズで泣ける

2021年11月2日
[ポラリスまでの距離]若葉は美しいのだ。その美しさを若葉は自覚せずとも。若葉が恋をしたという。とんでもない恋を。
[18年後のシリウス]ただ生きてきた。そう言うけれど、愛する者と出会い子を産み、なお守るために生きてきたことは尊い。それをあなたはただ生きてきたという。そんなあなただから好きになったのだ。
[くもり空シーイング]誰も傷付けたくて、人を傷付けるわけではない。わけではないけれど、誰も傷付けないというのは傲慢なのかもしれない。しかしあなたを傷付けたくなかったのは本当だ。
[ヒッパルコスからの手紙]誰も彼も思いを抱く。報われるとか報われないとか、それは一時のことだ。本気で想って本気で伝えた。そのことが美しい。今はわからずとも。
[とおくにひかる まぢかにともる]時間は平等だ。平等に厳しく平等に優しい。それがこんなにも嬉しい。ただ、思う。それは過去に頑張ったからだ。みんな頑張ったから。だからだよ。あなた方の頑張りを間近で見てきた読者として思う。どうか幸せに。

[二丁目のキキ]番外編。肉親を憎むことも赦すことも難しいと思う。無関心というのが一番容易い。しかしそれでいいのだろうか、と思わなくもなく。だから主人公は本当に偉いと思う。

話のタイトルだけで、もう胸が詰まる。前作を読んだならぜひ読んでほしい。
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