カサンドラ症候群がわからなかったので、勉強のために読んだ。夫婦間のことなので一概には言えないですが、嫁さんが夫の症状について無理解なだけに感じる。彼ら(といっしょくたにしてはいけないけれど)の性質は、自発的に言葉を発するのが苦手なだけで感情がないわけではないし、傷付いたりもする。感情と言葉の発動が非常に遅いだけ、表面に出せないだけ。どれくらい遅いかと言うと、一生発現しない可能性もあるくらい遅い。嫁さんのキャラは、言動から察するにチャキチャキした人なんだと思う。夫を好きになったきっかけが『変わったところ』だったはずなのに、自分の理想と違ったら『変わったところ』を愛せなくなっただけではないか。この本は、当事者の旦那さんには読んでほしくないわね。思いっきり笑わないのではなく、笑い方を知らない。または、物理的に笑えないだけなのに。旦那さんの人間性は善良なので、旦那さんのが気の毒に感じた。私の印象だけど、カサンドラ症候群になる人は思い込みが強く感情的になりやすい人に多いと思う。この悲劇のヒロインである嫁さんも、そういうタイプに見える。原作についてはね。作画の人のが旦那さん的な人についての理解がありそう。デフォルメも絵も構成も上手くて、こういう原作付きエッセイものを描かせるには、画力が非常にもったいないと漫画好きとしては思う。イラストレーターのような作画完成度なのに。逆か?イラストレーターのような完成度だからエッセイものに重宝されてるのかな。その辺の事情は知らんけども、読ませる漫画力でした。