山田ユギ先生にハマったきっかけの一冊です。登場人物はけっこう普通の人だし、大きな事件が起きるでもない、けっこう淡々としたストーリー展開なのですが、とにかく切ない!セリフや表情から、ほんとうにお互いのことが好きで好きで。。。好きすぎてつらい!というところまで伝わってきます!
攻めは編集者の飯島、受けはチェコ語翻訳者の日下。大学時代の同級生の再会ラブです。飯島は大学時代から日下のことがなぜか気に入らなくて、再会してからも仕事だから仕方がないと会っていたけれど、『気に入らない』=『気になって仕方ない』だと気づいて。。。となっていきます。
日下がミステリアスで、飯島といっしょに読者も翻弄されます。チェコ語を専攻して留学して翻訳家になるという道を選んだ時点で、日下という人物の特殊性・変人性がわかるというか。。。(現実のチェコ語専攻のみなさん、すみません!!笑)ですが、やはりこの『チェコ』というのが本作の特色にもなっていて、作中に出てくる作品がほんとうにあるのかつい検索してしまうほど、優しくて懐かしくて少し切ないイメージがつきました。
恋愛模様については、お互い大人になったことで、それから仕事相手ということもあって、大学時代だったらカッとなってケンカ別れになりそうなことでも、ぐっとこらえて距離や時間を置いたり、時には素直になって気持ちを伝え合ったりと、再会ラブだからこそのやりとりがよかったです。