さすが山岸凉子先生の作品です。フィクションなのですが本当にあったことなように感じてしまうお話。懐かしく切ない。冒頭のシーンで、初雪の中ひとりぼっちで心細く待ち続ける心細さ、置き去りにされてしまったのかも知れない、もう二度と家族には会えないのかも知れないという不安と怖さ。なんだか幼い頃に迷子になってしまった時の気持ちがブワッと再現されて一気に物語に引き込まれた。幸福と不幸の量は皆同じだということ。スピリチュアルな内容でもあるのですが、教訓が押し付けがましくなく素直に腑に落ちる。いつまでも忘れたくない作品。