歴史カテゴリでお目にかかり、表紙の軍服を見て「わぁ~大好きな陸軍将校が登場するお話!?」と早速クリック。
原作小説があり、そのコミカライズ版なんですね。数話無料だったので、まずは試し読み。作品のジャンルとしては女性漫画になっています。
開始早々ヒロイン史乃たちの濡れ場が挟まれたので、これ女性漫画というよりTLなのでは…?と疑問が。
私は濡れ場が見たいんじゃなくて“物語”が読みたいんだよな~とページを閉じかけましたが、せっかく無料分があるのだからと読み進めることに。
舞台は大正十年。祖父の生まれ年だ…、百年以上も前ですね。実際の出来事である“尼港(ニコラエフスク)事件”を下敷きに、物語は展開します。
取材のためロシアへ渡った新聞記者の夫。幼い娘とともにその帰りを待ち続ける妻と、思わぬ理由で彼女に接触してきたエリート陸軍少佐とのお話。
おこがましい言い方になってしまいますが、こういったジャンルではあまり見られない重厚な設定でびっくり。当初は舐めてかかっていました、申し訳ありません。
本格的な帝国陸軍の描写、そして史実をしっかり絡めた物語だったことが、私的にはすごくポイントが高かった。この系統の作品には軍人さんが付き物でもありますが、そのほとんどが“架空の軍”という残念すぎる設定ばかりなので…。
また“子持ち未亡人”がヒロインだなんて珍しいなーと思っていましたが、史乃の亡夫・良平と清河少佐、二人の関係性で思わずニヤリ。それなら未亡人でも子持ちでも問題ないよね~と。
絵柄については綺麗だとは思います。ですが、男女ともにグッとくるような妖艶さが足りない。
作画は線が細く、あくまでも現代風な感じが否めず。欲を言えば、時代背景に合う滲み出るようなしっとりした色気が欲しかったな。
トータルで評価は星4つ。もともと大好きでこだわりも強いテーマだったので、やや辛口にさせていただきました。