ネタバレ・感想あり友人の式日 るぅ1mm作品集のレビュー

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さまざまな角度から愛を描く珠玉の4編
ネタバレ
2025年10月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ シリーズものではない4編が収録された短編集です。

1話「ななしの恋人」
正体を隠して、片思いしている幼馴染と文通を続ける男の子のお話。
まっすぐな思いに胸打たれるハートウォーミングな名作!

2話「幽霊屋敷ラブロマンス」
除霊師が幽霊少年にベタ惚れするお話。
収録作でいちばん明るいお話で、爆笑してしまうくらいギャグが冴えています。

3話「フランケンシュタインの友人」
タイトルどおり、博士と人造人間のお話。
人間の感情の「いびつさ」と「まっすぐさ」は紙一重で、それを決めるのは主観でしかないのかも、なんて思います。

4話「友人の式日」
他界した少年の幽霊と、遺された友人のお話。
泣きました。

いずれのエピソードも、巨大な愛情を描いた味わい深いBLです。のちの発表作を読むと、(全部は読めていないのですが)るぅ1mm先生は本当に作風の幅が広い方だな~と驚かされます。本書だけでも1冊の中で、ギャグからメリバの気配漂う作品までいろいろ見せてくれるのですが、どの作品も根底には人間感情への洞察があるという点が共通しています。その意味で、るぅ先生作品のバリエーションと根幹を知れるオトクな作品集だと思います。
おまけ短編集もかわいい後日談が詰まっているので、本編にハマったかたは必読!!
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淡い恋の断片
ネタバレ
2025年7月31日
このレビューはネタバレを含みます▼ 優しいタッチの作風なのに書き込みが丁寧で安定感を感じる作家さま。短編集で4つ収録されて、どの作品も粒がそろっていて良作。ボーイズストーリー。
1巻176頁。星☆4.2

1話目は「ななしの恋人」真面目な戸田樹の下駄箱にラブレターが届いたことで始まるストーリー。この話が一番好きだ。戸田樹は名無しと手紙のやりとりを続けて、やがて交際を申し込む。名無しの正体は幼馴染の将悟だった。一通だけのつもりで書いた。それがまさかの展開に将悟は次第に罪悪感や自責の念に陥る。

2話目は「幽霊屋敷ラブロマンス」地縛霊の少年に恋する霊媒師の話。ガチの幽霊なので人玉が浮遊しているし少年の足は無い!果たして恋は実るのか。
3話目は「フランケンシュタインの友人」死体をつなぎ合わせて”友達”を作ったハカセの話。”友達”ヴィクターを作ったハカセだが友情以上の感情が二人には生まれてしまう。後半のハカセの眼差しがちょっと怖かった。

表題作「友人の式日」は亡くなった瞬が友達一也の前に現れる話。瞬には足がある。しかし一也以外には見えない。何故一也の前に現れたのか。終盤に瞬が生命の感覚をつぶやくのが胸に沁みる。

初読み作家さまだが、これはと見入ってしまった場面がある。2話以外のキャラ達の泣き顔。お腹の底や胸の奥から溢れる感情が涙となって出てきた顔つきが強く脳裏に残った。全作品エ〇はなく、軽いキスがMAX。ストーリー重視の方におススメ。
心の洗濯(念入り洗い)
2024年6月30日
初読み作者様。
ピュア!これに尽きる!作画が可愛いので、ほんとに癒される。
疲れてドロドロになった心をじゃぶじゃぶ洗濯させて頂きました♪
短編集
ネタバレ
2024年6月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 176P、描き下ろし表題作、他3作品。青年マンガ枠だが収録の短編はプラトニックなBLコミック。「ななしの恋人」は、「ななしさん」としての手紙のやり取りのウキウキ感と手紙だけの関係だと気付いた時の落胆、その後の喜びが描かれておりとても可愛いストーリー。「幽霊屋敷〜」は幽霊に一目惚れしてしまう展開から最後は別の締めくくりかな?と思っていたが裏切られた。「フランケンシュタインの〜」は人外BLアンソロジーの「ひとでなしの恋」に収録作品。友だちを作ったハカセだが別の感情を抱いていくストーリー。表題作の「友人の式日」は葬儀のシーンから始まったので切ない展開は予想できたが真相に辿り着き改めて大事な存在を認識する過程はやはり切ない。切ないながらも優しい気持ちになれた短編だった。
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作家名: るぅ1mm
出版社: 双葉社