作画はやや癖があるが上手い。
物語の展開も基本線はありきたりだが周辺設定がいい感じ。見せ方も姉妹の交流をメインに据えて序盤を描いている点が、演出として効いていると思う。
問題点は、敵役である王子の行為自体は何ら責められる点が無く、むしろ多くの無辜の国民を魔物の危機から救った名采配であると客観的に評価できる点。故にいくら性格をドクズに描こうとも「いや、やったこと自体は一人の犠牲で国を恒久的に救った名君の采配だし…」と思ってしまう。姉がどのような思いで結界を張り続ける生贄になったかも現状不明であり、1巻時点では「妹が勝手な思い込みで暴走している」とも読めてしまうのがかなり痛い点。
また、重要な場面で主人公が色々考えが足りない頭弱い子的な展開が続いていて、そこだけが強烈に引っかかってしまうのが本当に残念な作品。