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フルカラー。どこかうら寂しさのある絵で日本の昔話を雰囲気よく楽しめる、5作入り短編集。
イラストレーターの方が本業のようで、見開きのイラストレーションのインパクトや画面構成がとても良いと思います。一番好きな見開きは、2話目の『火 鎮める樹』のもの。
昔話を新しい解釈で、とか、定番の話を媒介に人の心奥に迫る、とかのタイプではなかったと思います。漫画で読むならそっちのタイプの方が好みなので星5には個人的に届きませんが、たまに開いて雰囲気に浸るにはなかなかすてき。
一番好みだった話は、5話目の『竜と琵琶法師』。盲目の琵琶法師の見ている世界の画面の工夫が良く、また、最も人の感情や意地を感じられたお話でした。