ネタバレ・感想あり劇画の神様~さいとう・たかをと小池一夫の時代~のレビュー

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伊賀和洋先生が更に大好きになりました
2024年12月25日
自伝というのは書いているご本人が良い事だけを描く事が主流だと思うし
今作品もそう
伊賀和洋先生が漫画家・劇画家を志す最初から現在まで描かれていて、その間に出会った人々つまり劇画を描いた作家たちについても活写されている
それらの人々の事はことごとく好人物、大人物として紹介されているのが長所
ちなみに紙の単行本では人物名の読み仮名に誤りが多かったのだが増刷で改訂されていて、電子版も改訂に従っている

伊賀先生が自作について客観的な評価をしている所もちょっとウケるが
おそらく伊賀先生は出会った人達の良い部分のみが見えるお方なのだろうとお見受けする
銃や刀、兵器に関しての描写力や興味は数多くの映画視聴が活きた結果、
美女を描く事が劇画には必要だと諭され美女の絵を磨いていく、
それらの人の助言をそのまま受け入れる度量、これら全てを読み取って更に好きになりました

巻末には同僚で友人のやまさき拓味先生との対談も掲載されている
さいとうたかを、小池一夫、お二人の告別式に参加している事にしんみり
伊賀先生の近作も読まないといけないな
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自我との葛藤
2026年3月31日
入社する経緯や入社してからの人間関係、アシスタントとしての努力や修行など興味深く読みました。さいとう・たかを先生のひととなりも伝わってきます。他の方のレビュー記事にもありましたが、作者は他人に対して非難めいたことはいわないお人柄だと思いました。
本来なら嫌なやつやそれにまつわる嫌なエピソードもあったはずです。それらを封印して劇画にかける静かな情熱を描いています。
面白かったのは漫画家として「自分の作品を描きたい」という自我の部分が周りの状況と照らし合わせるようして顔をだす場面です。
会社に対する義理もある。でも独り立ちしておのれの腕を試したい…その気持ちは表現者ならではの葛藤でしょう。
 この作品のもうひとつの面白さはマンガにおける創作論が展開されるところです。その役割は主に原作者の小池一夫先生が担っていますが、70年代80年代の時代背景として捉える必要がありそうです(なにかと熱かった時代なので)。
 とにかく熱き劇画の時代に触れ駆け抜け、いまも現役の作家である著者のこの作品は歴史的価値も高い秀作といえるのではないでしょうか。
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作家名: 伊賀和洋
出版社: 彩図社