貴族の慣例にしたがって婚約関係にあるだけで、まともな交流もなく、ヒロインは“おひとり様”活動の楽しさに目覚めてしまった。悲しみはかつてはあったけれど、それは学園内という狭い社会で婚約者としての体面を潰されて周囲から孤立、憐れまれていた事が苦しかっただけでは?相手の男に至っては婚約者としての最低限の義務も果たさず、ヒロインの事を何も知らない癖にヒロインが婚約者らしい対応を取らなくなった事に焦り始めているだけ。三巻までは。
お互いに愛とか恋とかのレベルじゃない。
そして学園に知れ渡っているヒロインの悲しい立場を全く感知していなさそうなヒロインの貴族の親も不思議。お家の名誉に関わることなのに。
ただヒロインの割り切りが清々しく、でも周りの価値観とは異次元なので互いに少しの勘違い、誤解が重なり、そのズレが広がっていく様が面白い。