魅力的なキャラクター、面白そうな設定・世界観、容赦ない展開と凄惨な残酷・リョナ描写、性的イメージを想起させる吸血描写等、吸血百合ダークファンタジーといううたい文句の期待に恥じない内容。
ただし、1巻時点で吸血鬼側のヒロインの過去がまるっと完全に明かされるという素人目に見ても疑問しか湧かない様な展開を見せる。いや、それは悪手だろ、と。ここで物語を引っ張っていく謎の、ほぼほぼ全てが解明されてしまって、この後どうやって読者の興味を持続させていく気なの? と。しかも大物っぽい雰囲気バリバリだった吸血鬼側ヒロインが、作中描写から読み取る限り実年齢が二十歳くらいとか、何というか若干肩透かし感が漂うというか小者臭がするというか…。
今後2巻以降で物語をどう展開していくかで本格的に評価したい感じだが、現状はちょっと失敗しているぎみの評価をせざるを得ない感じ。