アロマンティックに悩む侑と記憶喪失の牧緒が互いに救い救われるお話。
二人の悲しい過去や出会いが少しずつパズルのピースを埋めていくように明らかになっていくので、時系列で混乱する人もいるかもしれません。
二人の今を形作る過去が本当につらく悲しくて、でもそこに今の二人の心境との矛盾はなく、ストーリーとしてきちんと作られていてすごいなと思いました。
その分、話が重めではあると思います。
一緒にいたいだけなのに、なぜ恋人や友人といった言葉に当てはめなくてはならないのか。それって同性愛とかアロマンティックとかそういう言葉や型に当てはめようとするのと同じなのかな…って思い至り、考えさせられました。
きっと侑自身も過去の出来事から自分のことを型にはめてしまっていたのでしょう。
元々愛情深かった侑は牧緒と出会ったことで、暴力的で支配的な行為だと思っていたものが、牧緒を愛し救うことができる行為だと気付いたんですよね。
不可視の愛を知る
素晴らしいタイトルだと思います。
言葉や型にとらわれない愛を二人で育んでいってほしいです。