1巻286、2巻238ページ。
((2025.7.改稿))
寄宿舎を舞台にした群像劇。BLジャンルではありますが、ラブメインではない、主役交代型の連作です。
著者作品としてはシリアス分量が多めなので、私好みです。思考にも真剣さがあって良い。……でもちょいちょいギャグテイストは入る。個人的には、耽美は耽美で突っ走って欲しい……耽美さを嗤って見てる人をもいつの間にか耽美世界に引き摺り込んで欲しい派なので、星5つに届きません……なんて1巻段階では書いていましたが、2巻を読んで星アップの星5つです。苦手なギャグテイストを捻じ伏せて、展開の好みが勝利しました。
1、2巻の表紙の二人の話の畳み方がたいへんに良かったです。寄宿舎もので、二人の内面を率直かつ真面目さをもって描写し、単純な恋愛に寄らない、「魂が近い」関係を丁寧に描き切った……この満足感は久方ぶりです。その関係性にも、その生き様にも、既成の名前はつかない……ただ、彼らは彼らである、ただそれだけの単純なこと。最高です。
〜〜〜〜〜
半ズボンにリボンタイ、ソックガーター、トドメにパフスリーブの制服、いわくありの少年達、そして寄宿舎。この気分が上がりまくる舞台設定は2巻までで一旦幕を閉じ、現在連載中の内容は「七宝国」のファンタジー設定の方にシフトしています。そちらも楽しみ。
各話タイトルに内容を表す四字熟語が配されており、それもまた厨二ゴコロをくすぐられますね!難しいのでググりました!
まだ連載は続いていますが、連作形式なので1巻だけの購入でも続きが気になるタイプのもどかしさはありません。
1巻では第五話の『不易流行』がスパッとしていて好きです。
できれば2巻まで読んで、寄宿舎編を余すことなくお楽しみいただければと存じます。
〜〜〜〜〜
「でも少し…この風…泣いてます」って言いたくなった人は私と握手!