メンヘラ男を描かせたら右に出る者はいないと個人的に思っているヒロハルヨシ先生ですが、今回も先生による独特な世界観満載でファンにとっては垂涎モノの神作品でした……。この変態性、どうしようもない堂々巡り、秘めた欲望、それぞれのトラウマ、愛し愛されること。二人とも最高の美形×男前である点を除けば、意外とどこにでもあるような非常に人間くさいお話でした。
誰かに望まれるであろう自分を演じていながら、ありのままを受け入れてほしい。拒絶されたくない。愛されたい。愛したい。変わりたい。だけどその勇気がなく鬱屈としていて、出口の見えないトンネルに迷い込んでいたかのような二人。画面を隔てていながらもお互いがお互いを求めるように惹かれ合い、全然スマートとは程遠いような勢いだけで出会い、逢瀬を繰り返し、ようやく本来の自分をさらけ出せるのではないかという希望を見出す。鮮やかでポップできらびやか、そして男の色気溢れる表紙がそれぞれの世界で描いていた虚構というか虚勢のようでもあり、本当は甘えたで幼く、泣き虫で病みがちな二人がお互いを掛け替えのない存在として大切にしあう姿（ドエロ）が見れてとてもとても良かったです。
ともすれば、読者を置いてきぼりというか、完璧なる見守りの壁として存在させてくれる先生の画風は、圧倒的な世界観を持つ芸術家が作ったドキュメンタリー映画を観ているかのようで、感情移入をして没頭できる作品をお求めの方々には多少相いれない部分もあるかと思いますが、私は大大大大好きです。緻密で繊細、それでいて力強さのある描き込み、人間らしい豊かな表情、名もなきモブですら手を抜かない個性、モノの質感、魅せ方、特徴的な言い回し、漫画らしいカットイン、都合のいい綺麗な恋愛に収まらないストーリー構成、どれもこれも大変素晴らしいと感じます。
男前で色気あふれる強い雄であるレンさんがどんどん本性を現してメス堕ちしていきながらも、深すぎる懐とたくましい大胸筋に秘めたおっきなLOVEで豊をケツ抱きヨシヨシするの最高でした。素晴らしき割れ鍋に綴じ蓋カップル。末永くいちゃらぶしていってほしいです。
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