ドアマットヒロインとまでは言いませんが、理不尽で報われず、可哀想なヒロインです。次々と心くじかれる事態をどう乗り切るか?ヤキモキします。
ヒロインは婚約者(第二王子)を横取りした男爵令嬢を平手打ちした直後、前世の記憶がよみがえります。そのおかげで自身を客観視できる視点を得ますが、既に平手打ちの後。穏便に済ませる為、婚約破棄ではなく解消となり、ヒロインには第二王子の執り成しで、辺境伯との婚約が進められます。
ヒロイン、確かに平手打ちは落ち度ですが、そもそも不貞を働いたのは第二王子とその相手。しかも相手は免責で不公正。それでも立て直す行動を取りますが、まったく報われません。
辺境伯にはぞっこんの平民妾とその息子ふたりがおり、既に跡継ぎと決定していると現地で知ります。好感を持てた側近の子爵三男はすべてを承知した上で来てほしい、あなたにはその器量があると甘い様子で言ってきますが…何でわざわざ不毛な苦労をせねばならん??
辺境伯夫人としての責務、領地経営と社交は引き受けて、白い結婚もしくは実子を得ても跡継ぎにはなれない。妾一家の幸せを傍目に見ながら、自身の満たされぬ幸福を、まんじりともせず噛みしめ続けながら、残りの長い人生を過ごせと?!
ヒロインは断り、実家に戻ります。そして気を取り直して参加した夜会で、突然話しかけてきたヤンデレ公爵次男に襲われます。
ヤンデレ公爵次男はヒロインの事を長年思い詰めて、我が物にせんと既成事実に持ち込むつもりでした。真剣に恋慕しているのは分かりますが、屋外で地べたに押し倒すって…当然、同意はまったくなし。未遂に終わりますが犯罪です。ヒロインは一方的に恐怖にさらされただけでした。
なんかもう…うつうつとします。ヒロインの父兄は分からず屋ではありませんが、家名を保つ事を第一とし、ヒロインにも同調を求めています。第二王子はとにかくヒロインを無難に婚姻させ、自身の不徳とその相手との婚姻を無傷に装いたい。出てくる男全員、打算的。ヒロインに対する温かみ、真心がありません。
ヒロインは清廉ないい子ではないですが、ここまで粗末にされる筋合いもない。第三の選択肢として、引きこもりの公爵元嫡男が現れますが、力強さに欠ける上、自身も問題を抱えている様子。ヒロインがくじけずにあがく気概があるのが魅力。この先いかに挽回するか、とても気になります。