無料作品マラソンキャンペーンで1巻を読みました。
珍しい題材で興味があったので、読めて良かったです。過去自分が受けた歴史の授業では、キリシタン迫害的な「日本が不当な宗教弾圧をした」という意図をもって取り上げられることが多く、キリスト教布教を隠れ蓑にした「日本人奴隷売買」については記憶がありません。大人になってからそのあたりを知って、秀吉を見る目が変わりました。鎖国に関しても、「日本の蒙昧な政策」的な教えられ方をしてきましたが、この人身売買を知ると……そりゃあ閉鎖するわ……という気分になります。
この題材を漫画に取り上げたというだけでも価値があり、かつ、この題材についての思想的な押し付けや偏りが(少なくとも1巻段階では)見られません。主要キャラクター達は、悲劇のヒロインとして酔いしれず、置かれた場所での最善を目指した行動をとる、その姿勢が好ましいです。
歴史的事実を元に、苦難の中でも精一杯を生きる女性の姿に、フィクションとしてロマンスを添えて……という、かなり読みやすいバランスの作品であると思います。
私は、もう少し恋愛色弱めの作品が好きなのと、1巻あとがきの作者さんの「黒歴史」話にいまひとつ共感できなかったため、続きを追いかけるかどうかは保留です。2巻収録話で天正少年使節団も出てきたので、その扱いがこの作品にとってどう出るかは気になるところ。