終わりよければ全て良し、ではないけれど、これでうまくいかない可能性だって無かった訳じゃない。その相性リスクも含めて、この結婚の危なっかしさがストーリーを面白くもし、ややこしくもしているが、初めて読む話なのに読んだ事がある気がするのはなぜだろう。
時代はいつか。南北?独立?服装はその頃なら有りそうなのに、どこか違和感もある。それから、鉱山?ではゴールドラッシュ?穏やかな日常に見えるがもっと高揚感のある、血気盛んな空気があるのでは?
兄弟の弟の方もスピード婚とストーリーにあるが、見て決めるのと、知らないうちに決まってるのとは訳ちがう。こんなこともあったろうと思わせる結婚の形態であっても、面通しなしで結婚に踏み切ってなおこれで良かったと思わせるような、ドラマチックさ、もっと甘いエピソードが欲しかった。
彼の部屋の小汚なさは素晴らしく描けているのに、二人の間に通い始めるものが伝わりにくい。
あとは、好みの問題なのだろうが、原先生の絵は舶来調が似合う人物が昔からピッタリなのに、この作品のメインキャラの顔に凹凸が少なくメインたるオーラが感じ取れない。
いつの間にか愛していた、的な話であっても、夢うつつでの亡妻との人違いとかでなく酔える二人の愛情空間のシーンは欲しい。