誤解、解消、ライバル。話の組み立ては特別ではないが、絵に魅力がある。女性たちが四人四様ではっきり別人とわかる外見。ファッションも好きな感じ。ゴテッとしてるのにしっくり。
彼も、その弟も、ルックスに文句なしだが、彼の人違いの軽率さと強引さ、思い込みの強さと曖昧さ、気持ちを敢えて口にすることをしないけじめのなさ、女たちの感情に対する鈍感さ。そういう筋書きにしてるだけなのに、彼のそんなところが、読んでいてジリジリとさせられて、私の心のマグマは行き場がなかった。
ストーリーの力が弱かった。
ヒロインの心情はよく伝わってきたが、周囲の動きや登場の仕方に、話のために無理に作られた場面に見えてしまうところがあって、前と後とのストーリーの分断感を、覚えた。
ナチュラルな展開に感じとれなかった。
冒頭も少し分かりにくい。