天河にハマったのは、昔からのファンの方々に比べれば私はつい最近といったところ。ですが、本当に素晴らしい作品でした。この人の歴史モノ少女漫画に敵う人なんてこの先出てくるとは思えない、それほど凄い漫画家さんです。そんな篠原先生の最新作がこの作品。天河にハマったからといって、これはまた全然違う漫画なのでどうだろうな~と思いつつ読み始めたのですが、この作品もこの作品だからこその魅力があって、すぐに世界観に惹き込まれていきました。毎回新刊を楽しみにさせてくれるほど、しっかりとした歴史の世界観を表現される力は流石だと思わされます。
が、8巻目まで読んだので、ここで感想をあえて言いたい。……もっと恋愛が見たい!あまりにも、辛すぎる。まだ結末まで行っていないので悲恋とは言えませんが(っていうかそんな結末になるとは想像もしたくない)、巻が進むごとに幸せに近づくどころか、状況は悪くなるばかり。切ない漫画は好きなのですが、なんだろう…。飴と鞭と言うには飴の無さすぎる漫画というか。
物語序盤では、この先どうなるのだろうとか、結ばれてほしいとか、ヒュッレム頑張れ!負けるな!とか、スレイマン様に愛されてるのだろうか?とか疑問と予想でドキドキしたりな展開が多くて本当にこの作品に熱を注いでいました。しかし、最近の巻では望んでいたような恋愛の展開が本当にありません。登場人物は愛する人と結ばれる事のできない立場に苦しんでばかりです。このままではそれぞれが想いを諦めるしかもう道はありません…。
天河ではご都合主義とはいえど、王子が主人公一人を愛し抜き、想いが通えば何の障害もなく結ばれる事が可能な物語でした。夢の雫を読んだ後だと、天河は幸せな物語だったのだなぁと実感しました…。
恋愛重視で愛され、取り合われたりしていた天河。主人公がチート級の能力で何でも乗り越えれた天河。しかし夢の雫は、そんなご都合主義展開が無いんです。
主人公のヒュッレムは賢いが普通の女の子だし、スレイマン皇帝の手のひらの上でしか皆動くことなんて出来ないんです。この時代の正しい在り方で描かれています。これは少女漫画である前に、歴史漫画なのだと最近の巻を読んでいて思いました。
そしてこのペースだとまだまだ続きそうです。ヒュッレムとイブラヒムは最後どうなるのか、スレイマンは何を思って今の状況を作り上げたのか…。最後まで見届けようと思います。